伽羅創記

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zoom RSS 夏の終り - Far Rockaway

<<   作成日時 : 2007/08/30 13:59   >>

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 夏がいつ終るかというのは、はっきりと基準があるわけでもなく、ただなんとなく夏休みも終盤の八月末というのが、気分的には夏の終りという感があるというものだろう。
 ニューヨークは八月も終わりに近づくと湿度が低くなり、朝夕が涼しくなってきて実に過ごしやすい。ニューヨークに限らず、私は八月の最後の週あたりが、一年のうちで一番好きな時期だ。空気はまろやかに熟し、夕日はもの憂いげな琥珀色を帯びる。夏はいつも、色濃さを増しながら終わってゆく。

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 夏になると行きたくなる海岸がある。マンハッタンから地下鉄A線で1時間ちょっと、ファー ロッカウェイというところだ。ファー ロッカウェイに近づくと、電車は海の上の線路を走る。これはちょっとしたシュールな感覚である。





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 ファー ロッカウェイは海岸線なのだが、私が特に気に入っているのは、ビーチ44ストリート、日本語なら「海岸通り44」とでもいったところか。寂れた駅で、それなりに雰囲気があると思う。







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 駅を降りて、野原の中にのびた荒れたアスファルトの道を歩いて海岸に向かう。この荒涼とした感じも、気に入っている。




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 板張りの歩道に上がると、海がひらける。これは一応大西洋です。夏の終りの海は、はっとするほど青みが冴えている。ここをずーっと歩いて、いつもビーチ36ストリートまで行く。






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 このあたりは海水浴はできない。よって売店なども全然なく、訪れるのは近所の人ぐらい。本当に静かで、ぼーっとするには最適です。一つだけ、トイレがないのはちょっと難。
 海岸パトロールスタッフも、車を止めてのんびり。そのそばで、釣りを楽しむ親子連れ。

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 昔ダウンタウンに住んでいた頃は、夏の間、毎週のように行っていた。ここに来て黄昏の中、ウォークマンでマーラーの交響曲第5番第4楽章アダージォを聞くと、オチこんでいても「あー、もうどうでもいいじゃん。世界はこんなに美しいよ!」と思えた。


 明日ベルリンへ行く荷造りもまだしてないというのに、「そういえば、今年はまだファー ロッカウェイに行ってない」と思うとたまらなくなり、仕事帰りA線に乗った。一体何やってんだろう、私...。 いや、13年ぶりのベルリンで、かなり緊張しているんだな。しかも、今夜は満月だ。でもファー ロッカウェイの海は今年も綺麗だった。結論としては、行ってよかった。


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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
いや〜、それはきっと月の引力の影響でしょう・・ふと、15年以上前に読んだ「月の魔力」(アーノルド・リーバー著)という本を思い出しました。
ベルリンにはいろいろ、人生いろいろありそうですが、楽しんできて下され。報告を楽しみにしとります。
どらく
2007/08/31 06:19
写真、美しいですね。素敵な場所ですね。お近くにこんな場所があるなんて本当に素晴らしい。マーラのアダージェットというのもよく分かります。
ベルリンにいらっしゃるのですね。どうか良い旅になりますように。
Shushi
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2007/09/01 15:13
>どらくさん
「月の魔力」、ありそうですね〜。
これから秋月の冴える季節です。来月はお月見もありますな。
月見まんじゅうを用意せねば。

>Shushiさん
この海岸、まわりは所謂ゲットー(低所得者住居エリア)みたいなんです。最近は開発がはじまっているようですが。
でも、ここはカリブかと思うほど、綺麗に見える時があるんですよねぇ。特に黄昏時がいいです。
カラビ
2007/09/06 11:41

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