恩寵の一刻
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作成日時 : 2008/08/17 12:09
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お盆も過ぎて、NYは朝夕だいぶ涼しくなった。日中も湿度が低く、日差しが琥珀色を帯びて綺麗だ。これから8月の終わりに向かって、私の一番好きな季節になる。今日は素晴らしい天気だったので、庭にテーブルと長椅子を運んで、本を読んだり昼寝をしたりまた本を読んだりして、天からの恩寵を満喫した。読んでいたのは、ピエル・パオロ・パゾリーニ「あることの夢」。
・・・列車は蒸気を吐き散らし、息を切らして身震いしながら、幽霊のように月のない夜空にへばりついているイストリアの山やまのあいだを、右に左に曲がりくねって走っていた。フィウーメとその海は、幻の光のなかに呑みこまれるように、遠く後ろに消えていった。そして、イタリアの地でもなくスラヴの地でもないこの土地を、列車は何の目標もなく、ただひたすら夜の闇にむかってゆくかのように走りぬけていた・・・(米川良夫訳)
パゾリーニの作品には、瞬時にして別世界へ連れ去られるようなフレーズがある。惨殺死体で発見された彼の衝撃的な死に、A・モラヴィアは「詩人というのは、百年に一人、二人現れるかどうかというもので、パゾリーニはまさにそれなのだ」と言っていた。パゾリーニの詩集は英語対訳付きの"Roman Poems"を持っているが、英語じゃ駄目だ。原語でパゾリーニを読みたくて、イタリア語を習おうかと思ったこともある。とても追いつかないだろうけど。

テーブルの上は、こんな感じにセットしてみた。夏はやはり、ガラスの器が涼しげでいい。ブルーがかったグラスは先月見つけたものでトルコ製、3つ入り$3ちょっとだった。BGMがアヌーシュカ・シャンカールのシタール演奏だったので、シルクロードめいた雰囲気もちょいとあったかな。今年も過ぎてゆく夏は、惜しみながら楽しみたい。
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