伽羅創記

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zoom RSS Indian Summer− ひとの情けが身に沁みる

<<   作成日時 : 2011/10/11 12:13   >>

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  すっかり秋になってから、夏が舞い戻ったような陽気になるのをインディアン・サマーという。ネイティヴ・インディアンが冬の前に来る夏日を祝ったのが由来らしい。今年は10月10日、コロンブス・ディ祝日の三連休にインディアン・サマーがやってきた。
 その素敵な三連休の初日土曜日の朝、メトロノース125丁目の駅で私はポーチを落とした。中には財布、クレジット・カード、銀行のキャッシュ・カード、家の鍵、携帯電話と、見事に必要なもの全部が入っていた。また落とした場所が悪い。ハーレムど真ん中。派出所に届けられるなんてことはまずないだろう。連休初日になんてこった... 何時間かして、あるところの電話に私の携帯からコールがあったとわかった。持ち主を探してるのではないかと言われ、家の電話をチェックしてみた。すると女性の声で留守電が入っていた。
「ハロー。***さんへのメッセージです。あなたの財布と携帯電話を125丁目の駅で拾いました。あなたのIDカードを見て、この住所に今から送りますね」
 名前は言ってなかった。本当ならラッキーである。実は昔々タクシーの中で財布を落とした時、拾った人(やはり女性だった)が連絡をくれ、送ってくれたということがあった。あの時と同じように親切な人なのかな。でも実際に届くまでわからない...。半信半疑だった。その晩は近所に住む友人宅に泊めてもらい、翌日の朝に大家さんから合鍵を借りてやっと家に入った。その日は海へ行く約束があったので、急いで待ち合わせ場所へ向かった。

 気温は30℃近く、雲一つない晴天、ロッカウェイ・パークのビーチには泳ぐ人もいた。
「せっかくの連休だってのに、ガッカリだわ」
「しかたない。そういうことって起こる時は起こるよ。カードは全部ストップした?」
「うん。悪用されたような形跡はなかったけどね」
「じゃあ電話くれた人、本当に親切な人かもよ。わざわざ連絡してきたんだし」
「だったらラッキーだけどね。でもなにせニューヨーク、迂闊に信用できないからさ」
「まぁここは気を取り直して、海に厄落としに来たと思おう」
 友人とフライドポテトをつまみつまみ、光をはじく波濤をぼんやり眺めていた。

 疲れて早々に床につき、もっそり起きた今朝、facebookにメッセージを見つけた。
「ハーレムの駅であなたの財布と家の鍵と思われる物を拾った者です。IDに記されていた住所に先ほど送っておきました。無事届きますように。財布を失くした時の気持ち、私もわかるわ!」
 送信者の名前と写真もある。ふっくらと明るい笑顔の黒人女性だった。ああ、本当に親切な人だったようだ!なんだか奇跡みたいな話、いや、奇跡だ。
 思えばメトロノースの電車に乗って財布がないのに気づき真っ青になっていた私に、「どこまで行くの。OK」と切符を切ってくれた金髪の若い女の車掌さん、駅に着くといつもの乗り合いタクシーの運転手さんはおらず、停まっていた車の窓からわけを話し、お金は来週必ず払うからと言うと、「ああ、いいよ」の二つ返事で乗せてくれたヒスパニック系のお兄さん、そして財布を拾い、わざわざ連絡をくれて送ってくれたという黒人女性、人種様々みんな見ず知らずの人たちである。“落ちぶれて 袖に涙のかかる時 ひとの心の奥底ぞ知るぅ〜”って、虎造の浪曲が耳に聞こえてくる。この美しいインディアン・サマーの祝日に、これが奇跡でなくてなんであろう!

★宣言−誰かの財布を拾ったら、私も同じことをする。困っている人の身になって考える。親切は巡るものだ。その輪を自分のところで止めてはならない。











 

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コメント(9件)

内 容 ニックネーム/日時
素敵な人の行いの連鎖が奇跡を生んだのですね!
素晴らしい。
それというのも、カーラビンカさんの日頃の行いがよいからだと思います。
真奈
2011/10/11 12:43
真奈さん、こんにちは〜
若い時はさんざっぱら与太やってた私ですが、「情けはひとの為ならず」(結局情けは自分の為になる)というのがようやくわかってきたんでしょうか。今回は最高のIndian Summerでした
カラビ
2011/10/11 13:10
私も、以前財布をなくしたことがあります。
クリスマスの買い物を池袋トイザラスでしていたとき、ちょっと目を放した隙に、バッグから盗られました。
店員が、えっ?また盗難? って、とっさに言ったのが忘れられないです。
(12月は被害が多いらしい)
トイザラスに買い物に来る客は、みなサンタばかりではない、と、骨身にしみました。
あの、喪失感といったら、、、ないですよね〜。。。。
カーラビンカさん!
NYと言う町とあなたは波長がピッタリなんですよ。きっと!!
よかったね〜〜〜〜!ほんと。
読んでて、私まで泣きそうになっちゃった。あはは。
にしゆみ
2011/10/11 14:46
にしゆみさん、どうもです〜。

>NYと言う町とあなたは波長がピッタリなんですよ。きっと!!
私こそ、そう言ってもらえて泣きそうです。
いっこだけ、今回は失くしたことで嫌な気分になった時「ありがとう。I Love You」と心はこめられないにせよ唱えました。あと深呼吸したかな。そしたら、小難で大難を除けたのだと頭によぎりました。確かに、これが来週だったら何倍も面倒で酷いことになってました。ラッキーです
カラビ
2011/10/11 15:31
ええ、すごいわ、本当によかったね、奇跡だとおもうけど、きっと偶然でないわよ
カラビさん日ごろ人びとを助けている事でしょう。
Masu
2011/10/15 01:48
>MASUちゃん
うん、物が戻ってきたことより、そういう親切な人がいたことの方が嬉しいことだったわ!
カラビ
2011/10/15 12:05
本当ね、、世の中には親切な人も多いわ、、うれしいね、、
Masu
2011/10/24 03:40
私たちが忘れてしまっている、心と行いが息吹いているのを感じます。
ありがとうございます。
竹林大愚
2011/10/28 13:14
>竹林大愚さん
こちらこそ、コメントありがとう御座います。
実は今さっきムシャクシャすることがあったのですが、このことを思い出して気持ちがほわっとなりました。感謝です!
カラビ
2011/10/28 15:38

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