伽羅創記

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zoom RSS 霧のハドソン川

<<   作成日時 : 2014/01/15 13:47   >>

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画像 こないだの土曜日は、日がな一日霧が濃かった。グランドセントラル駅からシャトルトレインに乗ったら車内がパーッと明るいのでびっくり。座席も天井も壁もオレンジジュースの広告で統一されていた。一定の期間、お金を払って電車まるごと広告に使っているのだろう。このカラーコーディネイトはなかなか綺麗でよかった。
 昔のニューヨークの地下鉄は薄暗く汚れていて、犯罪発生率が高かったという。2001年から導入された新しい地下鉄のデザインを手がけたのは、日本人の工業デザイナー、宇田川信学(まさみち)氏である。明るく綺麗で機能的な地下鉄になり、犯罪発生率が減った。素晴らしい、日本人のデザインセンス!そうじゃなくても暗い地下を走るのだから、車内は明るく綺麗な方がいい。


画像 歯科検診にニュージャージまで行く途中、ハドソン川にかかるジョージ・ワシントン・ブリッジはすっかり霧につつまれていた。たまにはfoggyなシティもいいものだ。
 しかし帰りは雨がザーザー降りになってきた。橋の手前のバス停の前に車が並んでいて、みんなさっさと車に乗る。迎えに来てもらっているのかなぁ。それにしては、片っ端から乗っている。乗り合いの個人タクシーなんだろうか?ミニバンを覗き込むと、黒人の若い女性がCome inと合図した。
「あー、助かった。バスはなかなか来なそうだから」
 あくせくと私はシートベルトを締めた。
「すごい雨ね」
 珊瑚色のマニュキュアがほどこされた手が、ポップなBGMに合わせてハンドルを軽くたたいた。私はバッグをかきまわして財布を探した。
「いくら?」
 ドライバー女史はえっ?という顔で私を見た。
「No. お金なんて払わなくていいのよ。みんな無料で乗せて行くの。ヘルプよ」
 そうなのかぁ。それは嬉しい。タダだからというんじゃなく、あれだけ並んでた車みんなの、マンハッタン側まで乗せて行ってあげようという好意が嬉しいじゃないですか。開拓時代のアメリカの助け合い精神の片鱗を見た気がした。
 ジョージ・ワシントン・ブリッジを渡って、マンハッタン側に着いた。雨はさらに強くなっていた。車は地下鉄駅の反対側に停まった。
「入り口まで行ってあげられないけど、ここで大丈夫?」
「全然大丈夫。大助かり。Thank you!」
 車を降りてドアを閉める。雨のはじける窓ごしに、ドライバー女史はTake careというように手を振った。その日の夕方、通りという通りが淡いブルーグレイにかき消えてゆく街は、午睡から覚めた目に映る風景のようにやさしかった。





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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
初めまして。
スリランカの瞑想の旅を考えていて、このブログにたどり着きました。
偶然ながら私もNY在住者です。
ニュージャージーには仕事で通ってた時期があるので知っているのですが、
橋の前で待ってる車たちはカープールの車たちです。
3人以上乗ってるとトールがものすごく安くなるのです(事前登録制)。
だから運転手も同乗者もお互い助かるというわけです。

以前からありましたが、ここ数年トールが高くなってカープールも
ものすごく多くなりました。アミーゴ・バスは採算合わないと思います。
akiko
2014/01/26 03:02
akikoさん、はじめまして。
スリランカ瞑想の旅、懐かしいです。NYは厳寒の最中、なおのこと、またスリランカへ行きたくなります。
GWB前の車の列はカープールだったんですか。なるほど〜 私は自動車の運転をしたことがないので、そういうことにはまるで疎い人間です。乗り合いは合理的でいい方法ですね。
同じNY在住の方からコメントをいただいて嬉しいです。これからも是非、気軽にお越し下さい。
カラビ
2014/01/26 07:37

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