伽羅創記

アクセスカウンタ

zoom RSS 一番あったかいクリスマス

<<   作成日時 : 2015/12/26 16:09   >>

トラックバック 0 / コメント 3

画像
  
  クリスマスが近づいたここ数日、昔読んだ本の中であるアメリカ人が書いていたことが頭をよぎっていた。クリスチャンだったその人の母は、ホームレスの人たちを「みんな、お母さんの大切な子供だったのよ」と言っていたそうだ。この世界は望まれて生まれてくる子供ばかりではないし、親から愛情を与えられない子供もいる。だけど確かなのは、ホームレスになるために生まれてくる人間はいない。どこかでなにかが上手く行かなくなり、そのような境遇になったのだ。クリスマスの夜、凍てつく道でホームレスを見るのはとりわけやりきれない。せめてクリスマスの夜、みんなどこかで暖をとって眠れるなら、それはどんなにいいだろうかと。

 クリスマスイブ、誰と過ごす予定もなかった私はダウンタウンのコメディクラブへ行くことにした。今年のニューヨークは暖冬で、なんとその日は20℃にもなった。地下鉄はエアコンが入っていたほどだ。
 コメディクラブに着くとすでに席は売り切れで、キャンセル待ちの列に並んだ。開演時間になり、並んでいた人で入れたのはほんの5、6人だった。あきらめて映画館へ行こうとした時、前に並んでいたカップルが1人だったら席があるそうだと教えてくれた。私は入り口にいる店のスタッフに入れるか聞いた。
「君、ひとり?ふん、じゃ入って」 ガタイの大きい黒人の若い男は、一瞬意外だという表情をしていた。こんな晩、ひとりで来ているのは珍しかった。だからすごくラッキーだった。
 久しぶりのコメディクラブは楽しかった。出演者は4人だったか。アメリカのスタンダップコメディは早口でスラングを連発するため聞き取るのが難しいが、それでも笑った。大笑いした。本当に楽しかった。また来よう。


画像
 帰り道、ワシントンスクエアパークを通り抜けた。陽気に誘われて、散歩している人がけっこういた。ベンチに座ったホームレスもちらほらいた。コートがいらないあたたかさで、これなら今夜は外で寝ても大丈夫だった。凱旋門(Washington Square Arch)はライトに照らされ、夜目に異様なほど白く輝いていた。巨大なツリーの前で、巨大なしゃぼん玉をつくるパフォーマンスをしている人がいた。ホームレスだったかも知れない。
 私は、神様からクリスマスプレゼントをもらったことを知った。コメディクラブのひとつだけ残った席、前代見物のあったかい夜。こんなにはっきり願いが叶えられたことが今まであっただろうか。I am blessed, You are blessed. 私がニューヨークで過ごす最後のクリスマスだった。
 






テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
心が温まる素敵な夜でしたね。やっぱりお天道様は見ていたんでしょう。
『ニューヨークで過ごす最後のクリスマスだった』というのが、ちょっと引っかかってます。
老中八郎兵衛
2016/01/02 04:35
老中殿、明けましておめでとう御座います。
外地組には波高しの新年スタートですが、みんなで力を合わせて行きましょう。
今年もよろしくお願いいたします。
カラビ
2016/01/02 10:16
こちらこそ是非、お手柔らかにお願い致しますww
老中八郎兵衛
2016/01/07 06:16

コメントする help

ニックネーム
本 文
一番あったかいクリスマス 伽羅創記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる