伽羅創記

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zoom RSS ピアノを弾くのが楽しくなった時

<<   作成日時 : 2016/08/18 21:50   >>

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  小学校へ上がる前からピアノを習わされた。強制的なものだった。はじめの頃は練習しろと母親にぴっぱたかれてやったものだから、すっかりピアノアレルギーになってしまった。私がいない間に、家のピアノに雷が落ちて木っ端みじんにブッ壊れればいいんだがなぁ、と思ってた。結局高校2年生までレッスンに行ったのは、ロクに練習しないで上達もしないのに金をドブに捨てるようなものだから、わざと親に無駄金を払わせてやろうという魂胆からだった。
 家を出てからは、ピアノにまったく縁のない生活をしていた。それでも、やめてから4、5年はまだ覚えてる曲を弾くことはできた。10年、20年、30年も経てば、もう曲もうろ憶えで指は思うように動かないし、楽譜を読むのもままならない。

 実家のピアノは40年以上調律してないけれど、一応音は全部出る。かつて弾いた曲の楽譜は埃が積もり、茶色くなっていた。昔取った杵柄、指の動きを訓練すれば、そこそこ取り戻せるかも知れない。ちょっとハノンを練習してみる気になり、ここのところ夕方30、40分程度弾きはじめた。
 はじめてみると、あんなに殺伐としていたハノンが妙に楽しい。うまく弾けなくても楽しい。なんか、生まれてはじめてピアノの練習を楽しんでいる。子供の頃、あんなに嫌だったのがウソみたいだ。
「今頃になって。気のきいた化け物は引っ込む頃だよ」と叔母には言われた。ご尤も 

 ハノンである程度まで指の運びができるようになったら、ソナチネとバッハ・インベンションに進んでみようかな。私にモーツァルトのソナタが弾けるようになるのを望んでいた母親は、数年前から介護ホームでお世話になっていて家にはいない。ピアノを弾くのは、あたかも離れていた時間が取り戻せるような気がするからなのか、と自分に問うてみる。そうして指がつまづくと、長い年月に焼けたページの楽譜が笑う。




 

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