伽羅創記

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zoom RSS 中沢家の人々よ、永遠に!

<<   作成日時 : 2017/05/07 20:55  

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  去る四月二十三日、三遊亭圓歌師が亡くなった。古典落語ファンの私が好きな数少ない新作の落語家だった。
 圓歌師の噺をいつどこで初めて聞いたかは、憶えていない。そのとっぽい口調と明るい悪態に幾度となく吹き出して、いろいろ他にも聞いてみたくなったのだった。とにかく最高だったのは代表作「中沢家の人々」で、何度聞いても声を上げて笑ってしまう。
 向島で生まれ育った生い立ちから芸人人生、僧侶になったいきさつが書かれた自叙伝「これが圓歌の道標」のあとがきに書かれていた言葉を思い出す。

 「あいつ、あんなばかなことを言ってるけれど、こんな暗い人生もあったんだな、っていうような、私の全体像を人に知ってもらうのもいいんじゃないかな・・・」

 苦労話はいくつかあるものの、とりたてて暗いという印象は受けなかった。でも喉元過ぎればなんとかで、本人はその渦中にあった時、もう駄目だと思いつめたりもしたに違いない。

 思うに、笑いというのは人間に与えられた最高の力ではないだろうか。ずっと若い頃、ある仕事をしていて、ものすごく嫌なヤツがいた。向こうも同じに感じていたはずだ。立場上、私は一方的にあれこれ言われる側だったので、嫌悪感は高まる一方だった。ある日、そいつと二人だけの時、またも嫌な気分でいた最中、ふとそいつが面白いことを言った。別に冗談のつもりではなかったのだろうが、その一言が妙に可笑しかったので、私は笑い出した。そいつもつられるようにして笑った。ほんの一瞬の出来事だったが、あの時、私とそいつは「笑い」という同じ地平に立っていた。当たり前のことだが、相手も私と同じ人間なんだ、と思った。ほんの数秒笑う中で、私はあんなに嫌だった相手に微かながら親近感を覚えていた。

 噺家と坊さん、どちらも人の心の助けになるものだった。圓歌師匠、そうだったんですね。

 「西行さんが初めて東へくだる時、『竹の柱に茅の屋根… チャンチキチ』。この歌をいつまでも頭の中に入れといて、ずーっとフェイドアウトしていくのを人生の終わりにしたいんです」 



  四月後半は、他にも思い出深い人が鬼籍に入った。十七日、保守論壇で長く評論をしてこられた渡辺昇一氏、二十四日に前衆議院議員三宅博氏、お二人とも日本のために尽くし活動してきた方だった。惜しまれてならない。心から、ご冥福をお祈りいたします。

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    我が家の庭に咲いたジャーマン・アイリスの白い花を、謹んで故人に捧げたいと思います。
   






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