伽羅創記

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zoom RSS 過去が変様する時

<<   作成日時 : 2017/07/05 15:46   >>

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  先日、何十年かぶりに会った小学校、中学校時代を知る友人と話していたこと、そのまま記しておきたいので。


友 「そうだ、イトちんて憶えてる?イビられキャラだった子でさ、踏切り越えたところに住んでた」

私 「憶えてるよ。あいつが住んでたプレハブの家の前、たまに車で通るよ。空き家になって、もう何十年て感じだわ」

友 「あたし、イトちんにバッタリ会ったのよ。あれは27、28歳ぐらいの時だったかな。五反田の駅前で。『Kさんじゃない?』って声かけられたの、びっくりよ。客引き風の黒服着てた。
 イトちんのことで憶えてることがあるんだ。小学校から帰る途中、あいつも歩いててさ、どっちから話すわけでもなかったんだけど、あいつが、お母さんがヒステリーで妹をぶったりするから、自分が代わりになってひっ掻かれたって、耳の後ろの傷を見せたんだ」

私 「私もいっぺん、お母さんに叩かれたっていう傷を見せられたことあったわ。本当のお母さんじゃないんだって言ってたけど、嘘言ってんだろうって思ってたのよ。そしたら、実は二度目のお母さんだったってわかったんだ。
 あいつと妹は兄妹だけど、一番下は異母妹(はらちがい)だったみたい」

友「そうだったのかぁ。そのお母さんに折檻されてたのかね」

私「私がイトちんと最後に会ったのは、中3の受験直前だったわ。城山の前の道でだったかな、どこ受験するのか聞いたら、進学せず、父親の伝手で寿司屋の見習いに行くって。高校へ行かないって言う子、ほとんどいなかったじゃない。だから憶えてたんだ」

友「町に帰ることあるかって聞いたら、全然行ってないって言ってたわ」

私「その頃、あいつの家はとうに町から引っ越してたんじゃないかね。イトちんて、確か小学校の途中から転校して来たのよ。母親から暴力ふるわれたり、学校じゃイビられたり、あんまりいい思い出のない土地かもね。なんとなく、しあわせ薄い子っていうイメージがあったなぁ」

友「だけどね、あの時、今何やってるの?って聞いたら、『俺、店の呼び込みやってるんだよ』って笑った顔、すごくいい顔だったよ。よく憶えてる」



友「ヌッキのことで、忘れられないことがあるんだ」

私「ヌッキって、家が整備工場かなんかやってた子だっけ?でもって、一家で」

友「そう、それ。四角い顔して、ひょろっとした子。家が夜逃げしたね。あたし、その前の日にヌッキに会ってるのよ。夕方に校庭のすべり台にひとりで座ってたら、ヌッキが来てね
『そろそろこづかい(用務員)さんが来て、校門閉めちゃうぜ。早く帰らないとだぞ』って言ったの。普段、口きくこともなかったのに。それで週明けだったよ、学校行ったらヌッキの家が夜逃げしたってみんな騒いでるじゃない。じゃあもしかして、あたしはあいつと最後に話した子だったのか、って。
 今でも、夜逃げの話を聞くと、ヌッキのこと思い出すんだよね。どこへ行っちゃったんだろうなぁ、ってね」



友「ねぇ、ワタっていたじゃない?」

私「一番悪だったヤツ」

友「あたしね、あいつに小学校の時、けん玉を思い切り顔ににぶつけられたのよ。あたしって、男子にイジメられてたでしょ。よく叩かれたり蹴られたりしてたからさ。今も右の頬に、あの時できたしこりが残ってるよ」

私「ワタって札付きだったよね。あいつのいた近所の人が言ってた話だけど、あいつの父親ってのが刑務所を出たり入ったりしてるような男で、あいつもどっかから金をくすねては、暗くなっても駄菓子屋の店先でゲームやってるのよく見かけたって。
 給食費の回収の日に先生が『君はお母さんから支払いが遅れると聞いてるから、今日はいいよ』って言ったことあったわ。高度成長期の盛りだったのに、そんなの珍しかったから憶えてる」

友「...知らなかったわ。そんなだったのか、ワタ」

私「でも、小学校1年、2年生の頃のワタって、すぐメソメソ泣く弱っちい子だったよ。私、席が隣だった時に、あいつのこと何度も泣かしたもん」

友「なんかさ、あたし今、あいつのこと赦せる気がする。うん... なんだか、古傷がとけたような気がしてる。聞かせてくれて、ありがとう」



友「もう一人、あたしのことしょっちゅう攻撃してきたのはツ―ちゃんだったよ」

私「ああ、あれね。そんなガキだったよね」

友「でも、後日談があるのよ。高校3年の時、朝早く駅で電車待ってたら、プラットホームで『Kさん?』て声かけられて、それがツ―ちゃんだったの。『あれ〜久しぶりね。どっか行くの?』って聞いたら、大学の受験に行くところだって。
『そうか。がんばってね』って言ったら、ツーちゃんが深刻な顔で
『僕、小学校の時、Kさんのこといつもイジメてた。あれ、ゴメンね。本当に悪かったです』って言ったの」

私「えー、 あいつがぁ?」

友「あたしもびっくりしちゃってさ。『いいよいいよ、それより受験がんばってよ。ツーちゃんなら大丈夫だよ』って言ったら、彼うつむいて、何も言わず、ただ鞄の取っ手を握りしめてるんだよ。ぎゅーって、震えるぐらい力入れて」

私「...そんなことがあったんだ」

友「あの頃って、そんなこと知る由もないよね」

私「うん...」

友「みんな、しあわせだったらいいね」

私「うん...」


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