冬至越え

IMG_0391.JPG 昨日、冬至を迎え、今日から少しづつ日が長くなる。寒さの方は、これから本格的になる。空地の脇に柑橘類がたわわに実っていた。柚子だろうか。昨夜の柚子湯は爽やかであったかくて気持ち良くて、ケケケと笑いが漏れたなぁ。
 この冬は寒くなりそうだけど、石油ファンヒーターを買ったため快適に生活できている。日本に帰国してから築百年の隙間風だらけの家で、泣きっ面になるほどの冬を4回過ごした。よく我慢していたものだ。パネルヒーターでなんとかやり過ごせるかと思ったけど、外気0°の時なんぞ、とてもじゃないが効かないってば!
 思えばニューヨークは、ブリザードで吹雪いてても室内はスチーム暖房で暖かかった。シャツで1枚で過ごせてた。今年はまだ、この辺は雪は降っていないね。




IMG_0387.JPG 大島渚監督映画「戦場のメリークリスマス」を観たのは十代の頃だった。原作がロレンス・ヴァン・デル・ポスト著「影の獄にて」という本だと聞いて、一度読んでみたいと思いつつ長い年月が過ぎてしまった。今回、ようやく読む機会をつくった。一言、素晴らしい。特にハラ軍曹、ヨノイ中尉を介した日本人像の描写は、息をのむほど見事だ。(翻訳も素晴らしい!)
 映画のクライマックス、セリエ(デヴィッド・ボウイ)がヨノイ(坂本龍一)にキスする有名なシーンは、ほぼ原作通りだ。映画ではヨノイは終戦後の軍事裁判で処刑されたことになっているが、原作では生き延びて、セリエの形見の髪を故郷の神社に祀っている。

 ロレンス・ヴァン・デル・ポストは日本統治下の南方の島で捕虜として過ごした体験を元にこの話を書いたのだが、面白いのは、イギリス人が言う「日本兵からの虐待」というのは、たいてい反抗的な態度をとったことが原因だったみたいだ。食料を手に入れるため村へ抜け出そうとしたところを捕まり処刑になったとか、そもそもどこの国の軍隊でも、捕虜が収容所から逃げた時点で処刑するもんじゃないのか。村へ食料を調達に行くって、どういう監視してんだと思ってしまった。
挙句の果てに、日本人が「お前らはブッたるんどる。我々みたいに正しくなるため、瞑想して精神を鍛え直せ」と言って、病人含め捕虜全員20時間だかぶっ通しの瞑想を強いられたとか...まぁ確かにそれを「虐待」という言い分もありうるが、面白いのは日本人は白人捕虜達をあくまで人間として見ていたことだ。人間として「虐待」(日本人側としては根性を叩き直すというもの)し、人間として処刑している。逆にビルマのアーロン収容所などで捕虜になっていた日本人にイギリス人がやった非人道的行為は、正に言葉のごとく「人間」とみなしてのものとは思えないことだった。アジア人への人種差別は当然のことで、彼らとしては「何もおかしなことはしていない」、それはアングロサクソンには当たり前のものだったのだ。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%81%A7%E3%81%AE%E9%99%8D%E4%BC%8F%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%BB%8D%E4%BA%BA%E3%81%AE%E6%8A%91%E7%95%99

 「影の獄にて」の中では、ロレンスとハラの親交に似た理解があり、ヨノイとセリエの間に生まれた共感も、美しく尊厳に昇華され結ばれている。
 
『敗けて勝つという道もあるのだ。敗北のなかの勝利の道、これを、われわれはこれから発見しようではないか』
『それは、ろーれんすさん、それこそ、まさしく日本人の考えです!』            



 

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